アジア食材店にインタビューしてみた!

歴史と場所を知る

皆さんは街中を歩いているときにアジア食材店を見かけたことがあるのではないでしょうか。そのお店が何を扱っているのか、またどのような人がそのお店をやっているのか気になってはいるけれど、まだ訪れることができていない人も多いかもしれません。

そこで、我々茶話日和は新大久保にあるアジア食材店の1つであるアジアスーパーストアーさんに取材に行きました。店のオーナーのご子息で取締役のプンバート・タナトンさんにお店の取り扱う商品や歴史、加えてご自身の人生について語っていただきました。

取締役のプンバートさん。

1.お店に関係する人々

―お店にはどんなお客さんが来ますか?

「タイ人のお客様が30パーセントくらいあります。タイに限らず、日本や欧米やベトナム、インドのお客様がいらっしゃっていますね。」

―ここで働いている方は皆さんタイ人ですか?

「従業員はタイ人ですね。日本人の方もいますが、いま(取材時)はいないですよ。主に言語はタイ語を使っていますが、タイ語が話せなくても互いのことを理解してコミュニケーションができるのが一番重要だと思いますね。」

2. お店で扱っている商品

―タイ以外にも東南アジアの国の商品も取り扱っているようですが、何ヵ国くらいの商品を扱ってますか?

「様々な国の食品があって数は分かりませんが、メインはタイ食品で次に多いのはベトナムの食品になるかと思いますね。」

―おすすめの商品はありますか?

「おすすめ商品は自社で作っているタイのデザートですね、よくお客さんが買っていかれます。塩漬けの卵をパイ生地で包んだものや、もち米でバナナを包んだ蒸し菓子、砂糖で甘くしたもち米を焼いた菓子などを販売しています。他にもタイから輸入した置物も売ってますよ。」

タイの置物たち。これら雑貨も輸入品だそう。

―アジアの商品を扱っていて苦労したことはありますか?

「様々な商品を求められるお客様がたくさんいますが、輸入できる商品が限られている部分があるので要望に応えることができないことだと思います。」

なかなか見かけない珍しい野菜が並ぶ。

3. お店の歴史と経営

―新大久保一帯は元々アジア食材店が多いと思うのですが、どういう経緯でここに店を建てられたんですか?

「ここは26年ぐらい前からしています。その時はまだそれほど外国人の方が日本に来られてないような時期ですね。オーナーである父がこの店を建てました。」

―最近様々な場所でアジア食材店が増えていますが、それでお客さんが減りましたか?

「減ったという印象はなくてむしろ増えたという印象があります。あとタイの商品がより多くの方に知られて、幅広い商品が買われるようになったのもありますね。」

―コロナ禍で経営の面で影響はありましたか?

「コロナの影響はあまりなかったですね。お客さんが結構買いだめして行かれることや、また買いに来る方が多いからですかね。けれど輸入は影響があって入ってくる商品が減り値段も高くなりました。」

―ECサイトもあるようですが、この店から発送されてるんですか?

「この店のすべての商品になっていて結構利用されている方が多いですね。利用されるお客様は東京が一番多くて、二番目が神奈川県、三番目が茨城県でその次が大阪府になっています。大阪の下のあたりにはタイのお店がないようで結構注文が来ているので、6月の下旬か7月の上旬に大阪に店をオープンする予定です!」

―他のアジア食材店とはどんなことで差をつけていますか?

「差別化というと、毎週土日にデザートや惣菜を作っていてお客さんから好評を頂いていますね。あとは、お菓子やスナックなどの幅広い商品を扱っています。」

―惣菜は幼少期にタイで食べたものを再現してるんですか?

「タイの様々な地方のものを作ってます。タイのどの地域の方が来てもタイのことを思い出せる、そんな味の商品を提供することができたらいいなと思ってます。」

手作りデザート。日本にいながらタイの気分。

4. プンバートさんの半生

―いつ日本にいらっしゃったんですか?

「タイで生まれて、日本に来たのは小4の時でした。最初は日本語も全然できなくて、一応日本の学校に入る前はひらがなとカタカナは勉強していたんですけど、入った後に漢字っていうものを知って、『なんじゃこりゃ!』という感じでかなり苦労しましたね。」

―タイにいつか戻ろうとか考えますか?

「今後タイで仕事してみたいというのはあって、このスーパーストアの仕事以外の不動産系の仕事も経験してみたいと思っています。」

5. 皆さんに伝えたいこと

―アジアに興味を持っている日本人のお客さんに伝えたいことはありますか?

「東南アジアはかなり興味深いものがたくさんありますね。文化や言語、人々の性格など様々なものがあるのでより日本人の方に知ってもらえると嬉しいなという気持ちがあります。」

―加えて、大学生にも伝えたいことはありますか?

「世界がすごく広いというのは、僕が外国人として日本に来てとても実感しました。自国の人たちとずっと一緒にいるだけでなく、様々な国の人と知り合っていくことで世界観がすごい広がると思うのでおすすめしたいです。ぜひ実践してみてください。」

アジアスーパーストアーは、まだ日本にあまりタイ人の方が少なかった頃からあり、さまざまな経営努力で現在まで続いていることがわかりました。加えて小学校の途中で日本に移り住むことになったプンバートさんの話も興味深いものだったと思います。皆さんもアジア食材店を見かけた時はぜひ訪れてみてください。それが皆さんにとっての新たな発見に繋がり人生のスパイスになると思います!

<取材協力>

アジアスーパーストアー

東京都新宿区大久保1-8-2 シャルール新宿2F

電話:03-3208-9200

ホームページ:https://asia-superstore.com

 

(文責:多田太良)

大場莞爾