チュラロンコン大学に行ってみた!

歴史と場所を知る

夏休みに東大のプログラムで2週間、タイのチュラロンコン大学に滞在しました。とても素敵な大学だったのでその様子を書き残します〜

チュラロンコン大学はタイ王国初の公立大学として、国王ラーマ6世により1917年に創設された大学です。チュラロンコンの名前は、タイで近代化を進めたラーマ5世(チュラロンコン王)に由来しています。ラーマ5世と言えば、東南アジアが次々と植民地化される中で、自分たちの手によって近代化を進め、タイの独立を守ったとして現在でも人気の高い王様です。

タイでも最高学府と呼ばれ、なかなか特別な大学です。その特別さはさまざまなところに現れています。タイ語の文法では修飾語は名詞の後に置き、通常、タイ語で大学名を表現する際には大学+名前の順番になりますが、(例えば、カセサート大学であれば、มหาวิทยาลัยเกษตรศาสตร์​​、มหาวิทยาลัย(大学)เกษตรศาสตร์(カセサート)のように大学+カセサートの順番になります)チュラロンコン大学は例外的にに、จุฬาลงกรณ์มหาวิทยาลัย​​จุฬาลงกรณ์(チュラロンコン)มหาวิทยาลัย(大学)のようにチュラロンコン+大学の順番になります。また他にも、大学生のことを一般的な単語ではนักศึกษา(naksuksaa)と呼びますが、チュラロンコン大学を含めた一部の大学の学生のことはนิสิต​​(nisit)と呼びます。こんな感じでタイの中でもトクベツな大学です。

また、他の大学はバンコクの中心から少し離れたところに位置していることが多いのに対して、チュラロンコン大学はバンコクの市街地に存在しています。そのキャンパスは広く、学部もたくさん!2週間文学部で授業を受けましたが、キャンパスの全てを巡ることはできませんでした。

文学部の博物館のような建物。伝統的な色合いと建築が美しい。

お昼には学食でご飯を食べることが多かったです。学部ごとはかなり距離があって離れており、ほとんどの学部は学部棟ごとに食堂があります。文学部の学食は美味しいとかなり有名なようで、近くの工学部の生徒が食べにきている様子も見られました。大学のすぐ近く、というよりもほとんど同じ敷地には中学校や高校もあり、放課後には食堂に高校生の姿もありました。

なぜ工学部や中学生、高校生の見分けがつくかは制服のおかげです。タイでは着ているものから貧富の差などが現れないように、中学高校はもちろん大学にも制服があります。中学校と高校はシャツにスカートや半ズボン、大学生はシャツにスカートやスラックスで、学校ごとにちょっとずつ特徴があります。中学や高校の制服は学校ごとに特徴がある一方、大学の制服はどこも大体似ていますが、一応目を凝らせばどこの大学の学生かは主に胸元のバッジやベルトの金具から判別できます。大学生にもなると、大学や学部ごとに制服の着用の強制力は異なるようで、文学部では私服で登校している人もかなり多くいました。また、工学部などでは上級生が学部ごとのシャツを上から羽織っており、そこから学部を推定することもできます。新入生歓迎イベントで上級生の目印になるようです。工学部は人気で、入るのは非常に難しいですが、ややチャラチャラとした印象なのだとか。ただし、テスト期間など大学の行事がある日には制服を着用しなければならないようです。

お友達に制服を一瞬貸してもらいました。今回はスカートが黒いのですが、紺色の方が一般的で、黒だと「お姉さんっぽい」のだとか。スカートにも、プリーツスカートやタイトスカート、その長さなどさまざまで着こなし方に個性が出ていました。

制服のシャツやスカートはどの大学でもほとんど同じで、学内の購買部はもちろん、大学近くのショッピングセンターなどにも売られています。ただし、ボタンや校章バッジなどは大学の生協のようなお店でしか買えません。シャツのボタンがかわいいです。これ毎日着たい。

写真は現地の大学生に勧められ、滞在中にどハマりしたカオマンガイパソム。鶏肉の蒸したものと揚げたもののミックス。50バーツ(約200円)くらいでした。

タイ語の料理名は使っている食材+調理法であることが多いです。カオマンガイパソムは、khaao = rice, man = oil, kay = chiken, phasom = mix のようにして成り立っている言葉です。なお、タイでは外食文化が強く、その分食事は安いことが多いようです。学食は中でも安く、食事は50バーツ(約200円)程度、ローカルなレストランで80バーツ(約320円)、ショッピングセンターの中で120 バーツ(約480円)ほどが多かったように思います。

こちらはエレベーターホール。タイ数字、慣れるまでは自分が何階にいるのかわからなくなりました。これは6階。(๖=6)エレベーターは偶数階に止まるものと奇数階に止まるものの二択。

これは5(๕)階。タイ語既習でしたがすぐにはわからない。

チュラロンコン大学の周辺にはサイアムパラゴンやサイアムスクエア、MBKセンター、サムヤーンミットタウンなどいくつものショッピングセンターがあり、放課後の学生生活はかなり充実できそう。写真を撮ることはできませんでしたが、大学には学生寮があり、タイ国内でも有数の大学であるだけに全国各地から学生が集まり、学生寮で生活をする人が多いのだとか。一方で、特定の有名高校からの進学もかなり多く、文学部では大学のすぐ横にある有名高校からの進学者が40%を占めるとも。今回のプログラムでは文学部の日本語専攻の学生さんにお世話になりましたが、日本語専攻の入試は日本語の試験だそうで、入学までにかなりのレベルの日本語ができることが求められるのだとか。そのためには塾に通う必要もあり、教育の競争事情はかなり激しいことが伺えました。個人的にタイの教育については非常に興味深く感じ、これからのテーマになりそうです。

写真を撮影した地点は大学の敷地内の本屋さんの前。道路を挟んで向かいからはサイアムスクエアにつながるお店が並んでいます。どこまでが大学の敷地なのかわからない。大学生だけでなく、高校生の溜まり場にもなっていました。(後から調べたところ、大学の敷地をお店に貸しているようです)

写真はMBKセンター。文学部からであれば歩いて10分ほどでつきます。まねきねこも見えていますが、ショッピングだけでなくカラオケや映画館も備えたモール。友人はタイの学生と一緒にカラオケに行っていました。日本の歌も人気なようで熱唱している動画を見せてもらいました。最近はKPOPに押されつつあるとか。

こちらも大学から徒歩15分ほどの有名なフードストリート、バンタットン通り。有名店が並びます。カオマンガイと豆乳のお店をお勧めしてもらいました。比較的早い夕方の時間ですが、結構賑わっていました。大学の周りは車とバイクの通りが多く、道路を渡るのは大変。大学には駐車場がまあまあな台数分あり、車通学も一般的。バイクタクシーを利用している学生もいました。

大学の最寄駅にあったスーパー。タイのお菓子に加え、欧米のもの、日本のもの、韓国のものが並んでいます。

他にも、中華系人口が多いこともあり中華街もありました。

MRTのWat Mangkon駅近くの中華街の一角。フードストリートとして有名で観光客がたくさん。

歴史的にも伝統文化を残しながら、文化を受け入れ融合・改変させてきた国、タイ。観光客も移住者も多く、文化が入り混じっている様子を感じられました。

今回のプログラムでは大学でタイの文化や歴史、日本との関係の授業を受けるだけでなくワークショップ・フィールドワークでの文化体験や現地の学生との交流も豊富に含まれていました。興味のある東大生の方はぜひ来年度以降参加してみてください(グローバル教育センター担当サマープログラム​​で検索)!

もともとタイが好きでしたが今回の訪問でもっと好きになりました、将来住みたい🇹🇭

 

文責:蟹江優衣

大場莞爾